1.ポコポコ異音の原因
結論から言うと、「ポコポコ」と言う異音の原因はドレンホースからの空気の逆流による水の押し返しです。

夏場に冷房を使用すると熱交換器で結露水が発生し、室内機に溜まります。そして一定量を超えるとドレンホースを通って室外に排出されますが。しかしほとんどの場合、ある程度の結露水が室内機のドレンパンに溜まっている状態にあります。そこへドレンホースから外部の空気が逆流することにより「ポコポコ」と鳴ることがあります。
ドレンパンに水の溜まりがなくても空気の逆流により「ヒューヒュー」という風が通り抜ける音がすることもあり、1年を通して対策する必要があると思います。
「ドレンホースから空気が逆流する」と言いましたが、その原因は主に2つあります。
- ・強風が吹いた。
- ・室内と室外気圧の差が大きい。
強風による影響についてはわかりやすいと思います。しかし、ポコポコ異音の主な原因は室内と室外の気圧差によるものです。
特にマンションは高気密住宅のため室内機と室外の気圧差が大きくなります(室内側が低気圧)。気圧は等圧になろうと働くので外から空気が入り込む力が働き、エアコンを効かせようと締めきっている室内にはその空気の入り口がエアコンのドレンホースしかなく、そこから空気が一気に流れ込んで水を押し返し、「ポコポコ」と異音がなることがあります。
そのため、窓を開けたりするとの異音は(一時的には)解消されます。
2.エアカットバルブで異音を解決
2.1 エアカットバルブとは
エアーカットバルブ(ドレン用逆止弁)という部品をドレンホースの途中に設置することで空気の逆流が阻止され異音は解消されます。また、小さな昆虫などの侵入も防げます(ほとんど入ってきませんが)。
決して高いものではなく、ホームセンターやAmazonや楽天通販で購入できます。ビニールテープとカッターさあれば簡単に取り付けられますので、ポコポコ異音が気になるような人は取付けてはどうでしょうか。※室内側ではなく室外側のドレンホースに取り付けます。
機密性の高いマンションではエアコン設置時に業者に相談しても良いでしょう。ほとんどの業者が対応してくれると思います。
逆にそれほど機密性が高くない戸建住宅に設置されているエアコンにはあまり必要がありません。エアコン取り付け業者もあえてエアカットバルブを取り付けたり、お客様に勧めることはあまりありません。中には必要のなさそうな現場で高額でエアカットバルブを売りつける業者もいるので注意してください。
2.2 エアカットバルブのデメリット
エアカットバルブが取り付けてあると、結露水とともに外へ排出されるホコリ等のゴミがバルブ部分に溜まってしまうことがあります。長年放置していると、ヘドロ化した物質が原因で水の排出がうまく行われず、室内側での水漏れの原因になります。夏シーズン終わりに取外し、掃除、再度取り付けるというメンテナンスの手間があります。
水漏れの原因になるだけでなく、異臭の原因にもなりかねません。ヘドロ化し長年放置された物質は非常に強烈な匂いを発します。その匂いがドレンホースから室内に上がり部屋まで届くことがあります。
水漏れや異臭の問題を起こす前にメンテナンス(掃除)はしっかりやりましょう。
2.3 自分で取付けても良い
カッターとビニールテープがあるなら素人でも取り付けられるエアカットバルブ。しかし、その存在を知ってる人はなかなかいません。それをいいことにマンション等でエアコンを設置すると、設置業者にエアカットバルブの取付けを薦められることがあります。
妥当な価格なら「親切な業者だな」と思うところですが、法外な料金を請求する業者がたまにいます。※エアカットバルブ取付けだけで追加8,000円請求されたというお客さんがいました(某大手エアコン工事業者にて)。
材料費・取付費込みで1,000円〜3,000円前後ならエアコン取り付け時に業者に任せた方がいいかもしれませんが、自分でやれば1000円程度でできるものです。あまりにも高いと感じたら 「自分でやるから大丈夫」 と言ってその場は流しましょう。
3.まとめ
- エアコンの「ポコポコ」という異音は故障ではなく、ドレンホースからの空気の逆流が原因。
- ポコポコ異音解消には、エアカットバルブという専用部品を取り付ける。
- エアカットバルブ取り付け後は定期的(夏)に掃除が必要。
- 業者に依頼すると1,000円〜3,000円が相場(取り付け工事と同時の場合)