1.なぜ新築住宅でのエアコン設置は特に気を付けなければいけないのか
新築住宅において最初のエアコン設置はその後のエアコン工事や生活に影響します!
壁にあける配管穴の位置、エアコン設置位置、配管カバールートなど、その後変更できないことや変更できてもビス穴跡、クロス汚れ跡が残ることも少なくありません。また、配管穴開け工事では「筋交いを切られた」「柱を傷つけられた」なども問題も起きることがあり、お客様自身がその事実を知ることが10年後のエアコン交換時ということも少なくありません。
最初のエアコン設置はその後のエアコン更新工事、メンテンナンスや生活に影響があるので決して適当にしてはいけません。
2.新築住宅でのエアコン工事で注意すべきこと。
配管穴(スリーブ)開け
筋交い・柱を切られないこと、高い位置に開けすぎないこと。この2点が大切です。
エアコンの配管を通すため壁に配管貫通穴(通常:直径65mm)を開口する必要があります。建築段階で配管穴を設けられる場合もありますが、ほとんどはエアコン設置時にエアコン設置業者が開口します。この時、家の構造体である筋交いや柱が切られてしまうことがあります。
ボード上から壁内の詳細な構造を把握するのはなかなか難しく、エアコン設置業者が適切に穴位置を決めるには知識と経験と慎重さが必要です。そのため施主であるお客様は、建築中の写真を撮っておく、工務店に穴開け可能位置に目印をつけてもらうなどの方法をお客様ご自身で行うと良いでしょう
次に、穴は高すぎる位置に開けないこと。天井との隙間が無ければ掃除もできずカビの発生、早期故障につながります。さらに新しいエアコンに買い替え時に配管穴位置が合わないケースも珍しくないため、穴の拡張や新規穴の開口が必要になることも。
よっぽどのことがない限り天井とエアコン上部の間に5cm〜10cmは余裕をとるようにしましょう(メーカーの説明書にも上下左右5cm余裕をとることが記載あり)。
室外機の設置場所
その後の生活のことを考えて室外機を設置しましょう。
特に多いのが、室外機から出る風の向きに関する隣人トラブル。
新築が並ぶ区画では隣地との距離が狭く、室外機から出る風が隣家に直撃するケースがあります。当然のことながら多くのお客様が新築時には何かと神経質ですので、隣人は良い思いはしません。
エアコン設置後、「室外機の向き、場所を変えてほしい」と言われ、その工事費用負担をめぐってトラブルになることもあります。新築住宅を購入した直後にこのようなトラブルになっては最悪ですね。
現在隣地に家が建っているなら、風が直に当たらないか、まだ建っていないならその後(近いうち)に家が建つ予定はないかを確認しましょう。
エアコン設置業者の方からそのようなアドバイスがあるときもあればないときもあります。しかし、エアコン設置後に室外機の設置位置で隣人とトラブルになってもエアコン設置業者の責任にすることはできないでしょう。
外構工事完成前のエアコン設置
外構工事が完成してからエアコンは設置しましょう。
もし地面に室外機を設置するなら外構工事(コンクリート固化や砂利敷など)が完了している必要があります。
外構工事前に室外機を置いてしますと、コンクリート流し込み時に取り外しが必要だったり、砂利敷時の室外機持ち上げの際にガス漏れを起こすなど、依頼主だけでなく各業者にとっても不都合です。著者も今まで数回ですが、エアコン取り付けを依頼され現場に行ったら外構工事が終わっておらずその場で工事を延期されたことがあります(キャンセル料をもらわなければなりません)。
家が建ったからと焦らず全体を見渡すことが大切です。
3.まとめ
- 配管穴あけ作業が必要であれば建築途中の壁内写真や壁内構造がわかるものを準備しておくと良い。
- 室外機の位置によって隣人トラブルになることもあるので、どこに設置するか業者と相談。
- 室内だけでなく外構工事も完了しないとエアコン設置も完了しないことがある。