配管のフレア加工はエアコン取り付け時には必須作業
「フレア加工」はエアコン設置作業には必須な作業工程の一つです。フレア加工が正確にできていないと、冷媒ガス漏れや故障の原因となることもあります。作業を行う上での注意点や工具、方法を紹介します。
フレア加工とは
冷媒配管(銅製)をエアコン本体(室内機と室外機)に接続するために配管先端をラッパ上に広げる作業のことを言います。ちなみに「フレア」は英語で書くと「flare」で「朝顔状に広がる」「広がりのある開口部分」などの意味があります。
最近ではホームセンターなどではフレア加工済みの冷媒配管キットが売られていますが、それらはあくまで初心者が行うDIY向けで、実際の現場では現場状況に合わせて職人が長さ調整を行い現地にてフレア加工を行います。
準備する道具
- パイプカッター
- 配管を切断する時に使用します。
- バリ取り
- 配管切断時に出る配管内側のバリをとるのに使用します。
- フレアツール
- 実際に配管先端を広げてラッパ状に広げるために使用します。
配管のフレア加工手順
配管を切断する
必要な長さで配管を切ります。配管を切るだけではありますが、ここでミスをすると後のフレア加工も失敗するのでいくつか注意が必要です。いくつかコツがいります。
- 配管はまっすぐ伸ばしたところで切断する。
- 配管が曲がったところで切断すると切断面がまっすぐにならず、フレアが歪みます。歪みはガス漏れの原因となります。
- 一気に切らない。
- パイプカッターは刃の締め付けと回転を同時に行いながら扱います。スピードを重視し最初から刃を締め付けすぎると配管が潰れます。
- 配管は少し長めに切っておく。
- もしフレア加工をミスした時はミスした箇所を切り飛ばしやり直しが必要です。この時配管をギリギリに切っていると配管を全て交換しなくてはいけなくなります。配管接続時は多少の融通はきくので多少長くても機器への接続に問題は無いはずです。
バリを取る
配管が切断できたら内側にできたバリを除去します。
このバリは職人によって「とる」「とらない」が分かれます。バリはフレア面に傷は発生させる原因となるので、まずはバリ取りせずにフレア加工を行ってみて傷がつく、つかないでバリ取りの必要性を考えましょう。なお、職人ではバリ取りする派が多いと思います。
バリ取りしたあとは金属粉が出るので配管口を下に向けて配管をトントン叩き金属粉を下に落とします。
いざ、フレア加工
配管サイズを確認してフレアツールのクランプバーに配管をセットします。この時、フレアツールに配管先端がぶつからないように注意しましょう。軽くぶつかっただけでも配管口に傷がつき切断からやり直しということもあります。
クランプバーの穴から配管が2mm程度出るくらいのところでセットするとちょうどいい大きさのフレアを作ることができると思います。
適切な配管の出し代(だししろ)は使用するフレアツールによっても異なるので説明書を読んだり、慣れるしかありません。出し代が少なすぎても多すぎてもいけないので要注意です。
最終チェック
フレアが切り終わったらチェックし、傷やゴミの付着がないか確認します。必要であればフレア面にガス漏れ防止剤(ナイログ、エアコンパルなど)を施すことでガス漏れリスクを減らせます。
まとめ
フレア加工はエアコンだけでなく冷凍機器の配管接続では必須の作業工程です。使用する道具もそれぞれクセがあったりするので、綺麗にフレア加工できるまで練習あるのみです。